神秘的な絵柄と独特の雰囲気を持つタロットカード。
一見すると難しそうに感じますが、実はカード1枚1枚に込められた象徴を理解すれば、誰でも占いを楽しむことができます。
タロットは「未来を当てる道具」ではなく、「心を映す鏡」。
この記事では、初めてタロットに触れる方に向けて、基本の手順とカードの意味、読み方のコツを丁寧に解説していきたいと思います。
タロット占いとは?
タロット占いは、78枚のカードを使って潜在意識や人生の流れを読み解く占術です。
質問者の心や状況を「象徴(シンボル)」を通して映し出し、迷いを整理したり、進むべき道を示したりします。
ここでは、タロットの起源と目的について見ていきましょう。
タロットの起源と役割
タロットの歴史は14世紀ヨーロッパにまでさかのぼります。
もともとは貴族の遊戯用カードとして使われていましたが、後に神秘思想や占星術と結びつき、「人の心を映す道具」として進化しました。
タロットが今も多くの人を惹きつけるのは、その象徴の深さにあります。
絵柄に描かれた人物や動物、背景の色や動きのひとつひとつが、人生や感情を暗示しているのです。
タロット占いの目的と魅力
実はタロット自体は「運命を決めるもの」ではありません。
むしろ、カードを通して自分の本心に気づき、心の中にある答えや今どんな方向に進もうとしているのかを引き出すためのツールです。
つまり、タロット占いとは“自分との対話”の時間でもあるのです。
タロット占いの基本手順
タロット占いは感覚的な側面もありますが、一定の手順を踏むことでより確かなリーディングができます。
ここでは、初心者が覚えておくべき基本の流れを見ていきましょう。
1.占いたいテーマを決める
「恋愛」「仕事」「人間関係」「自分の今後」など、まずは占いたいテーマを決めましょう。
漠然とした悩みでも、「今の自分に必要なメッセージをください」と質問を設定すれば十分です。
テーマを明確にするほど、カードの答えも具体的に感じられるようになるでしょう。
2. カードをシャッフルする
シャッフルは、タロットカードを自分のエネルギーと同調させるための大切なプロセスです。
呼吸を落ち着かせ、静かな気持ちのままカードを混ぜましょう。
途中でカードが飛び出したら、それは「ジャンピングカード」と呼ばれ、特別なメッセージを持っている場合があるので注意してください。
3. スプレッド(配置)を選ぶ
スプレッドとは、カードを展開する配置方法のことです。
占いたい内容によって最適な形が異なりますが、初心者には以下の2種類がおすすめです。
- ワンオラクル:1枚のカードを引き、その日のメッセージを受け取る方法。
- スリーカード:過去・現在・未来の3枚で流れを見るシンプルなスプレッド。
4. カードを展開し、意味を読み取る
カードをめくったら、まずは絵柄から受ける「第一印象」を大切にしましょう。
そのうえで、正位置(上向き)と逆位置(逆さま)を確認し、意味を照らし合わせていきます。
焦らず、カードの世界に自分を委ねるような気持ちで読み進めてみてください。
タロットカードの大アルカナと小アルカナの違い
タロットは78枚で構成され、「大アルカナ」22枚と「小アルカナ」56枚に分かれています。
大アルカナは人生の大きなテーマを、小アルカナは日常の出来事や心の機微を表します。
ここでは、占いの核となる大アルカナの意味を一覧で紹介しますので、下記の表を参考にしてみてください。
No
カード名
主な意味(正位置)
主な意味(逆位置)
0
愚者(The Fool)
自由・無限の可能性・新しい旅立ち
無計画・迷い・無責任
I
魔術師(The Magician)
創造・チャンス・自信・始まり
不安・準備不足・失敗
II
女教皇(The High Priestess)
直感・知恵・冷静な判断
感情的・優柔不断
III
女帝(The Empress)
愛情・豊かさ・成就・魅力
過保護・怠慢・依存
IV
皇帝(The Emperor)
安定・支配力・責任・実行力
独裁・傲慢・支配欲
V
教皇(The Hierophant)
道徳・助言・伝統・信頼
固執・形式主義・誤解
VI
恋人(The Lovers)
愛・選択・関係の調和
迷い・誘惑・不和
VII
戦車(The Chariot)
勝利・前進・意志の力
暴走・焦り・コントロール不能
VIII
力(Strength)
勇気・忍耐・内なる強さ
無気力・不安・弱気
IX
隠者(The Hermit)
探求・内省・静寂・知恵
孤立・閉鎖的・逃避
X
運命の輪(Wheel of Fortune)
チャンス・変化・好転
停滞・タイミングの悪さ
XI
正義(Justice)
公正・判断力・バランス
不正・偏り・不公平
XII
吊るされた男(The Hanged Man)
献身・我慢・新しい視点
無駄な犠牲・停滞
XIII
死神(Death)
終わりと再生・変化・手放し
抵抗・執着・閉塞
XIV
節制(Temperance)
調和・適応・バランス・回復
不調和・混乱・偏り
XV
悪魔(The Devil)
欲望・執着・誘惑・依存
解放・決別・自立
XVI
塔(The Tower)
崩壊・衝撃・目覚め・再構築
再生・回避・遅延
XVII
星(The Star)
希望・癒し・夢・信頼
失望・迷い・不信
XVIII
月(The Moon)
不安・幻想・潜在意識・直感
誤解・錯覚・混乱
XIX
太陽(The Sun)
成功・幸福・明るさ・喜び
疑念・一時的な停滞
XX
審判(Judgement)
再生・復活・決断・過去からの解放
過去への執着・未練
XXI
世界(The World)
完成・達成・満足・統合
中途半端・停滞・未完
これらのカードは、人生の物語を象徴しています。たとえば「愚者」は新しい始まりを示し、「世界」は物語の完結を意味します。
タロットを学ぶうえで、大アルカナの流れを“人の成長の旅”として理解するのがおすすめです。
初心者におすすめのタロット占いの練習法
タロットを上達させる近道は、日常の中でカードと触れ合うことです。
難しく考えず、まずは1枚のカードから始めてみましょう。
ワンオラクルで感覚をつかむ
朝や夜に1枚引き、「今日のメッセージ」を受け取る練習をしてみましょう。
カードの意味をノートに書き留め、その日を終えたあとで「実際どんな出来事があったか」を照らし合わせると、カードの象徴が少しずつ体に馴染んでいくはずです。
カードの流れを読む練習
ワンオラクルで慣れてきたらスリーカードで、過去・現在・未来の関係性を読む練習をしましょう。
カードの並び方や色のトーン、登場人物の視線などにも注目すると、物語のようにリーディングできるようになります。
タロットへの理解を深めるためのコツ
タロットは「感覚」と「象徴理解」のバランスが大切です。
意味を暗記するよりも、カードを感じ取る時間を大切にしましょう。
直感を信じる
カードを見て最初に浮かんだ印象こそが、あなたの潜在意識からのメッセージ。
「怖い」「明るい」「優しい」など、素直な感覚を言葉にしていくことが、リーディングの第一歩なのです。
自分らしい解釈を育てる
同じカードでも、質問内容や状況によって意味は変わります。
たとえば「死神」は決して怖いだけのカードではなく、終わりを受け入れる勇気や再生の始まりを示すこともあります。
カードを一義的に決めつけず、自分なりの言葉で物語を紡いでいくようにしましょう。
タロットと共に歩む日々
タロットは、静かな中でも人生の指針を与えてくれる頼もしいパートナーです。
カードに触れるたびに、少しずつ自分の心の声が聞こえてくるようになります。
迷いや不安を感じたときこそ、カードを手に取ってみてください。
そこに描かれた象徴たちは、あなたの中にすでにある答えをそっと映し出してくれるはずです。
 
  
  
  
  
